今から40年以上前の事。
当時は電車で高崎から都内へアクセスする場合
まず上野が終着駅でございまして
そこから目的地へ乗り換えて行くというルートの時代ですね。
東京駅から東海道新幹線に乗るために
上野から山手線に乗った時の事。
当時70歳は
とうに過ぎているであろうとお見受けするご夫婦。
背の高いご主人が電車に乗り込み
小柄な奥様が階段を
降りてきているわけですが
この奥様が両手に
大きな風呂敷袋を持っていたんです。
（当時は風呂敷袋というのは
当たり前の光景でした）
「早くしろっ！」と、
車内から外の階段の奥様に怒鳴るご主人。
ご主人は手ぶらでございました。
奥様は重たそうな荷物を抱えながら
とても焦った表情で階段をやっと降り
電車に乗ろうとした時
目の前で扉が閉まった。
「馬鹿者っ！」と、ご主人。
私はホームに一人残された奥様を見て
とても心配になったのと
私の横に立っていたご主人を見上げ
「荷物を持ってあげればいいのに‥。」と
睨んだ記憶がございます。
私の気の強いのは当時からでして
東京駅まで睨み続けたのが
私なりの抵抗でございましたが
その背の高いご主人には届きませんでした。
しかしその一連の出来事は
子供心に衝撃的な光景でした。
着物姿のあのご婦人の
着物の柄も焦った表情も
全て鮮明に記憶しております。
そして時代が過ぎて
洗剤チャーミーグリーンのCMが出ましたね。
♪チャーミーグリーンを使うと
手を繋ぎたくなる♪という
このCMの功績は大きいと思います。
歴史を重ねてきたご夫婦が
手を繋いで寄り添いながら歩く姿は
とても美しいと再認識させてくれたCMですね。
ちなみに
これはシリーズ化して
平成4年のこれが好きです。
共に年月を重ねてきて
最後は二人になるわけですから
寄り添いたいですね。
