投影

この人「手」は美しいなぁ…と思ったのが

バーバラ・ストライサント。

 

小学生の時に

映画「追憶」(1974年)を観て

当時の私はあまりにも幼すぎて

あの作品の本当の素晴らしさは

わかりませんでしたが

 

細い指に長い爪に

真っ赤なマニキュアをつけた彼女の手は

本当にエレガントで

 

こんなに手の綺麗な人がいるんだ…と

子供心にスクリーンに目が釘付けで

 

映画館の帰り道に

彼女が歌う挿入歌の

The way we wereの

レコードを買ってもらった記憶がございます。

 

 

歌手として

役者として

監督として

多才な彼女ですけれども

 

確かにユダヤ系独特の

お顔立ちをしておりますから

 

絶世の美女ではないかもしれませんが

 

ある活動家の女性と飲んだ時に

バーバラ・ストライサントの事を

 

「あの人、ブスだから嫌い」と、言われ

 

私は大ファンでございましたので

 

いい大人が「ブス」て…

よう言うなぁ!

稚拙にもほどがあるっ!と

大激怒して口論になった記憶がございますな。

 

さて

先日、彼女は全米ツアーをなさったそうで

Netflixで彼女のそのライブを観ました。

 

彼女の映画は

殆ど網羅しておりますが

 

最近はあまり拝見していなかったのですけれども

現在、彼女は76歳ですからね。

 

「嗚呼、年月が経ったなぁ。」と

少し感慨深い思いと

少し悲しい思いが致しました。

 

結局のところ

彼女を投影して

自分が見えちゃうんですなぁ。

 

若い時に見た映像は

そのまま記憶に留めておいて

心の引き出しにしまっておいた方が

いいような気がしました。