発表

先日、13:00の時報とともに

私のオフィスのPCで

混み合うネット回線を

何度も更新しながら

この発表を見た時には

泣き崩れました…。

 

2016-01-29 13.12.53

 

「合格おめでとうございます。」

 

うちのスタッフの吉田ちゃんの長男のY君が

大学の歯学部に合格したんです。

 

遠慮をして

部屋の隅でそっと立っていた吉田ちゃんも

「やったー!!」という私やゆうこ先生の歓声を聞いて

泣いていました。

 

彼女からY君の進路相談を受けて

彼に初めて会ったのが一昨年の夏の終わり。

 

高校2年生だった彼の第一印象は

今時珍しい位の好青年だなぁ…という事と

 

帰り際に

「先生の貴重なお時間を割いて頂いたので

ご奉公に病院まわりの

草むしりをさせて頂いてもよろしいでしょうか?」と、言ったので

とても驚きました。

 

そんな事はしなくてもいいわよ…と、言ったのですが

彼は草むしりをして帰りました。

 

彼は将来の方向性が全く決まっていなかったので

 

「ってゆうかさ…

医者か歯医者になればいいじゃんか。

まぁ…歯医者だったら色々と紹介は出来るよ。」と、言うと

 

「えっ?!」と

驚いていた様でしたが

長い時間、色々な話をして

彼自身もやる気をだしてくれたので

それから…

彼への個人指導が始まりました。

 

数学や物理は暗記というより

ひらめきやセンスが必要だけれども

英語は暗記だけだからな…と

 

膨大な量の宿題を出して

2週間に一度、日曜日の午後にチェックをする…というパターン。

 

始めた当初は

慣れない勉強法で宿題が手付かず…という事もあり

 

「やる気がないなら帰れっ!」と、

帰した事もありました。

 

しかし

彼も3年生になり

今回の年末年始は

彼の雰囲気がちょっと大人びて

朝早くから夜遅くまで

我が家の別室で勉強しており

 

胃がキリキリとして落ち着かない私に比べ

彼は淡々と勉強しておりました。

 

私は彼の入試前夜は一睡も出来ませんでしたし

「これって自分の入試の方が気が楽だわ…」と

本当に沈痛な気持ちが致しました。

 

先日、駐車場に積もった雪かきを

こっそりとして下さってた吉田ちゃんのご主人や

「とにかく先生にお任せしておりますので…」と

諸々と他の事で気を使ってくれる吉田ちゃん…

 

親御さんのご心中をお察し致しますと

 

「私って神だと思うわ…マジで。」と

普段は大ボラを吹いている私でございますが

責任の重大さを痛感し

 

「すいません…大ボラばかり吹いて。

合格させて頂いた暁には、もっと謙虚になりますから

どうか…合格させて下さい…。」と

神にすがる様な気持ちでおりました。

 

そして合格発表。

 

Y君はよく頑張ったと思います。

 

影で支えたご両親も頑張った。

 

彼は

これから6年間の大学生活の後に

国家試験があります。

 

うちの草むしりをしていた彼の後ろ姿は

鮮明に覚えており

思いやりのある

優しい歯医者さんになると思います。

 

弁護士の稲ちゃんが司法試験に受かった時に

私の父がそれはもう喜んで

合格者一覧の名簿が書いてある雑誌を大量に買い込み

それを切り抜いて稲ちゃんの名前に赤線を引いて

大切に保管しておりました。

 

父が生きていたら

Y君の合格を

とてもとても喜んだと思います。

 

そして

Y君の勉強のお手伝いを

ほんの少しだけさせてもらった私の事を

「チヒロも頑張ったな。」と

褒めてくれただろうなぁ…と、

 

相変わらず、ファザコンのいい歳をした

オバさんでございます。