切に願います…

愛と哀しみの果て」(1986年)という

メリル・ストリープ

ロバート・レッドフォードが共演した

アフリカを舞台にした

美しい映画があります。

 

その中で…

主人公のメリルストリープが

アフリカの原住民の

子供達を集めて

英語の読み書きを教えるシーンがあります。

 

するとロバート・レッドフォード

「何で英語を

教える必要があるんだ?」と、聞くんです。

 

ごもっとも!!…と、思いました。

 

その部族の人々は

長い歴史の中で

英語でない言語で

コミニュケーションを

とっていたわけですから

 

特に映画での時代設定…

つまり、1930年代当時に

彼らが英語を学び

喋れる様になったトコロで

イギリスからの入植者達の

召使いになる位しかありませんから

 

だったら

マサイ族じゃございませんが

彼らの伝統通りに

暮らした方が

 

実は彼らにとっては

幸せなのでは?という事を

 

ロバート・レッドフォード

言いたかったわけですね。

 

どーも、英語圏の方というのは

ご自分達の価値観を

無理強いする傾向がある。

 

ちょっと前の話になりますが

クジラを食うな!とかね。

 

うるせぇっ!ってんですよ。

 

こっちとらぁ…

クジラ様を食しますけれども

ヒゲ一本だって無駄にせずに

使わせて頂いているという

古〜い文化があるんですよ。

 

ひとんちの事に

ゴチャゴチャ言うんじゃないよ!と、言いたい。

 

(まぁ…個人的には

クジラと馬は可哀想だとは思い

積極的には食べたくないのですけれども。)

 

2011年の映画で

アフリカ出身のスーパーモデル

ワリス・ディリーの人生を描いたもので

「デザート・フラワー」という作品がございます。

 

これは非常にショッキングな映画で

FGM(女性割礼)という風習を

描写したシーンがございます。

 

FGMに関しましては

撲滅させようと熱心に活動している

人権団体の女性の知人もおります。

 

私も一時は非常に心を痛めまして

憤りを感じましたね。

 

そもそも無麻酔で抗生物質の投与もなく

非常に原始的な施述でおこないますから

命を落としてしまう場合もございますし

何とか出来ないものかと思いましたが

 

色々調べてみると

それもその地域の数千年に及ぶ習慣であり

宗教的背景もございまして

特に母親が自分の娘を

(習慣ですから)何の迷いもなく

積極的にさせる場合も多く

 

結局のトコロは

女性自身がまず最低限の教育を

受けられる制度を作って

違う価値観もある…という事を

彼女達に知ってもらい

「選択する自由」を与えてあげるしか

ないような気がして

 

となると

あまりにも規模が大きくて

あまりにも根が深すぎて

 

私は人権問題の専門家でも

何でもないただのオバちゃんなので

途方にくれてしまうわけです。

 

話は飛んで

サウジアラビアの事。

 

あちらでは父親又は男の親戚だけが

娘の結婚相手を決める決定権を

持っているらしい。

(基本的には同じ部族間でのみ

結婚するらしいですね。)

 

ですから10歳位で

嫁がされる場合もあるわけです。

 

数年前に読んだ

サウジアラビアの記事で

 

自分で選んだ結婚相手を

父親に反対されたので

何と!娘が裁判所に父親を訴えたんですな。

 

これは「お!やるねぇ…」と、ニヤリとし

非常に小気味良かったですね。

 

最近はこういったケースが増えてきて

結婚の自由を訴える女性の殆どが

大卒のキャリアウーマンなんだそうです。

 

ちなみに

訴えた女性の申し立ては

残念ながら却下されたらしいです。

 

まだまだ道のりは遠いわけですね。

 

このサウジアラビアという国ですが

2012年の「少女は自転車にのって」という

映画がございます。

 

これはアカデミー賞でも受賞した作品で

監督がサウジアラビアの女性なんです。

 

サウジアラビアの女性というと

ニカーブという黒装束を

身にまとうイメージがございます。

 

2015-10-29 14.44.50

 

イスラムの戒律と習慣でガチガチな国で

女性はいつも黒装束なんだろうなぁ…と

勝手に思い込んでおりましたが

全くの間違いでございました。

 

映画ではその厳しい規制の中で

女性達は工夫をこらし

それぞれお洒落を楽しんでいるのだなぁ…と、

驚きました。

 

ニカーブからチラリと見える

校長先生の靴が

ピンヒールであったり

 

アクセサリーが

とても個性的であったりと。

 

またアイメイクが

パンチが効いていて

個人的には大好きでございます。

 

黒のピンヒールに

ニカーブにサングラス。

そして

差し色としてのバックが

とても素敵でございました。

 

また自宅では何を着てもいいんですね。

 

主人公の女の子は

デニムにTシャツが

とても似合っておりましたし

 

ひと昔前に流行った

ヴェルサーチっぽい柄の

ブラウスを着たお母様が

とても綺麗でしたね。

 

歴史のある国の文化風習を

自分のちっぽけな

価値判断だけで決めつけて

無理やり自分の価値基準を

押し付けてしまうのは

やや強引な気がいたします。

 

しかし

やはり「人」として

せめて「選択出来る権利」だけは

与えてあげて欲しいなぁ…と

切に願う私でございます。