オッさん

夫という存在は

どの時点で

「大好きだった男性」から

「見慣れたオッさん」になるんでしょうか。

 

うちの”見慣れたオッさん”に対しても

新婚当初はですね

 

彼が2週間程、ヨーロッパに釣りに行ってしまうと

淋しくて、淋しくて

夫の実家へ行っては

シクシク泣いた事もございましたなぁ…。

 

「こんなに可愛いお嫁さんを残して

釣りに行くなんて、うちの息子はしょうがないわねぇ…」なんて

お義母さんに言って頂いた事もございましたね。

 

今なんぞは

「え?うちの亭主?旅行に行ったみたいよ。

え?どこかって?え…っと…

”何とかランド”って言ってたなぁ…。

フィンランドかも…多分…。

ネバーランドはマイケルジャクソンだもんねぇ…ガハハ!」と

全く興味がねぇ…という。

 

新婚当初は寝ている時に

オナラなんかをしてしまうとね…

夫が寝ているのを確認しつつ

 

「彼に聞こえたんじゃないかしら…。

嫌われたらどうしよう…」なんて

悩んだりした事もございましたがね。

 

今なんぞは

「お前、昨日うたた寝をしている時に

すごいオナラをしていたぞ。振動があったもん。」

なんて言われても

 

「私は何事もダイナミックなのよ。文句あんのぉ?」

と、なる。

 

ダイナミックといえば

夫婦喧嘩もダイナミックでございましたから

まぁ…それはそれは大変なものでございましたね。

 

しかし最近はもう…燃焼し尽くしてしまったと申しますか

疲れてしまうのですね…夫婦喧嘩をする事自体に。

 

ですから最近は大きな喧嘩もなく、

時々、彼が帰ってきても

会話といえば、犬の事位なものですけれども

それでもたまに、都内にいる”見慣れたオッさん”とも

長電話をする様になったりいたしましたね。

 

案外、このオッさんおもろいやん…と

1時間以上、他愛もない話をダラダラとしたりしてですね。

 

まぁ…要するに見慣れたオッさんは

親友なんでしょうなぁ…。

 

父は数年前に他界しましたが

晩年の父と母…特に父が亡くなった年は

 

父は自分の死期を知っていたかのようで

母もそれをわかっていたようで

 

2人で新婚の様な生活を送っておりました。

 

2人でドライブをしたり旅行をしたり。

 

「ドライブをしたのぉ?今更2人でぇ?」と

驚いた記憶がございます。

 

いつかは

見慣れたオッさんとの生活も終焉を迎える時が来るのでしょうが

あんな風になれたらいいなぁ…なんて思ったりいたします。