嫁姑

うちの母は群馬に嫁いできて50年が経ち

自分の実の母と姑の

最後を看取ったわけですけれども

 

母が思い出話を語る時というのは

実の母の事よりも

圧倒的に姑との懐かし思い出話が多い。

 

その姑…つまり私の祖母は

どちらかというと家庭的な人ではなく

家事は最低限、渋々とやり

お稽古ごとにせっせと通ったり

お友達と旅行をしたりするのを好む人でしたから

同居している嫁の家事に口出しをした事もなく

(というか、本人の掃除が雑でしたから

口を出す気もなかったのでしょう)

 

母の新婚当時などは

毎晩帰りの遅い夫を待つ母に対して

祖母がとても気遣ってくれて

それが母の心の支えだったそうな。

 

とても優しい姑だったようです…母に言わせると。

 

そんな良好関係にある嫁姑でも

やはり何十年と一緒に一つ屋根の下に暮らせば

喧嘩の一つもあるわけですね。

 

私が小学生位の時でしょうか。

忘れらなれない出来事があった。

 

家族で食卓を囲んでいる時に

理由は思い出せないのですが

まぁ、どうせ大した理由ではなかったのでしょう、

母と祖母が口論になったわけです。

 

子供達はシーンと黙る。

 

父は黙々とご飯を食べている。

 

口論は続く。

 

これは父にとっては

究極のシチュエーションだったと思われます。

 

嫁の肩を持っても角が立つし

姑の肩を持っても角が立つ。

 

すると父が箸を置いて

 

「お前達二人、実家に帰れ!」と、言ったんです。

 

祖母も母も嫁いできた人間ですから

この発言に二人とも黙ってしまったんですね。

 

私は子供心に

「お父さんはやっぱりすごいなぁ…。」と

尊敬の眼差しで父を見上げた記憶がございますね。

 

三方一両損大岡裁きじゃございませんが

あっぱれな裁き(?)だったと思います。

 

これは時代的背景もございまして

家長と云う概念が色濃く残っていた時代と言う事と

 

祖母は明治生まれ

母は戦前生まれでございますから

実家に帰るなんて事は

実家が認めない時代でございましたからね。

 

それから時代が過ぎて

嫁となった私でございますが

嫁姑の喧嘩はございませんね。

 

理由としては

一緒に暮らしていない、

私に嫁という認識が皆無、

義母が100%我慢をしている…という事でしょうな。

 

新婚当初は

夫の実家に行って台所に立ち

甲斐甲斐しく食器を洗ったりしておりましたが

続きませんね。

 

今は我ながらひどいです。

 

電話で義母に

「ご飯でも食べに来てね。」と、言われても

 

「忙しいからさぁ…。

ご飯を作って持ってきてよ。タクシー代は出すから。」と

まぁ、横柄な事!

 

また「タクシー代は出す。」と、言っておきならが

「領収書は忘れないでね。」と、せこい。

 

申し訳ないなぁ…と、思っております。(←ホントかよっ!!!)