糠漬け

昨夜、スタッフに食べてもらったぬか漬け。



きゅうり、なす、かぶ、アボカド。

アボカドは
皮をむいて漬ける派と
皮をつけたまま漬ける派がありますけど

私は皮を付けたまま漬ける派。

この時期ですと
常温で4時間くらいでしょうか。

皮がツルンとむけてくれるので
型崩れしないから。

またなすの色落ち問題には
諸説ありますけれども
私の場合は鉄を入れるだけでは
時間の経過とともに
やはり色落ちしてしまうのと
ぬか床に紫色が移ってしまうので

予め、粗塩とミョウバン
ナスの皮をゴシゴシと擦り
紫色の色素が手のひらの粗塩に
たっぷり出たのを確認してから漬けます。

すると
仕上がりもキレイな色が出ますし
時間が経っても皮の色が変わりません。

しかし
ぬか漬け方法は正解がないと申しますか
それぞれのご家庭の流儀がございますからね。

私が小さい頃、
祖母はお友達の家を互いに行き来する時に
必ずお漬物が出た。

その家のぬか床自慢というトコロでしょうか

また
おもてなしの気持ちもあったのでしょうね。

祖母とぬか漬けは
ちょっと苦い思い出があります。

私が二十歳を少し過ぎた頃、
都内の某有名私立大学の男の子達と
スキーに行く事になり
うちに迎えに来てくれた。

その時に
祖母が彼らに「遠い所からわざわざ」と
糠漬けと里芋のお味噌汁と
焼いたお餅を大きなお盆に乗せて
駐車場まで持ってきた。

BMWに乗った彼らに対して
お漬物が当時の私はとても田舎臭い気がして
何だか気恥ずかしく
「おばあちゃん!いらないってば!」と
怒鳴った記憶がございます。

祖母はちょっと驚いた顔をした後
少し悲しそうな顔をして
「そうかい‥、ごめんね。」と小声で言って
自宅に引き返したわけですね。

その後、車中で
「おばあさんにあんな酷い事を言って」と
友人達に責められましたけれども

「いーのよ!」と強がってはみたものの
「おばあちゃんに悪い事をしたな。」と
私自身もとても悲しい気持ちになった記憶がございます。

あれから35年が経ち
毎日、ぬか床を混ぜながら
スタッフの喜ぶ顔を見ると
祖母への想いが脳裏をよぎります。