珍事

昨夜、診療時間が終わる間際の

8:57pmに医院の電話が鳴った。

 

スタッフが

「先生、吉田さんという男性からお電話です。」

 

患者さんだと思って電話に出ると

どうも様子がおかしい。

 

患者さんではなく

営業の電話でもない。

 

「吉田です。覚えていらっしゃいますか?」

 

全然覚えていないけれども

私の経験上

こういう場合は

この吉田なる人と何かしらの

ややこしい関係があったと

推測されます。

 

しかし全くわからないので

これは会話を進めて

私の記憶をたどるしかないと判断。

 

「あ〜元気?!お久しぶり!」と言った。

仕方ねぇから。

 

しかしよりによって吉田て。

 

これが非常に珍しい苗字であればいいんですけどねぇ。

 

吉田さん、田中さん、山田さん…この辺りは

日本の一番ベーシックな苗字ですからなぁ。

 

「やっと思い出してくれた?

全くもう…どこの男と間違っているんだよ。」

 

なるほど。その発言から推測すると

この人は元カレだな。

 

でも誰?!!

 

そこで

「今、仕事は何をやっているの?」と聞いてみた。

 

すると

「いや、相変わらずだよ。」

 

わかんねぇ〜っ!

 

「全然、売れないけどね。」

 

え?売れない?!

 

って事は芸人さん?

ミュージシャン?!!

 

ってゆうか誰?!

 

そこで

「売れる売れないではなく

毎日続ける事って重要だよね。」と言ってみたら

 

「うん、だから毎日書いているよ。」

 

え?書いてる?描いてる?どっち?!!

 

ってゆうか誰?!

 

そんな手探りなやり取りを暫くして

最後に「あ”ーーー!あいつだ!」と

思い出しました。

 

30年以上前の人ですな。

 

当時フリーターで

作家志望の人でしたね。

 

交際していたのも数ヶ月。

 

何でまた急に連絡してきたのかわかりませんがね。

 

「まぁとにかく元気そうで良かった。

心配していたから。」

 

いやいやいや、自分の心配をしなさいよ。

 

男の人って覚えているんですねぇ。

 

早速、夫に電話をして

吉田君事件(?)の話をしたわけですね。

 

「五井さんも昔の彼女の事を

思い出したりするの?」と、聞いてみたら

 

「いや、俺は貴方しか知りませんからね。」

 

流石ですな。トラブル対処法を心得ていますな。

大笑いをして電話を切りました。

 

そんな珍事があった昨夜でございました。